宝石を輝かせる研磨とは?
宝石研磨とは、宝石の原石をカットして磨く技術です。
ジュエリーの上で輝く宝石。
ジュエリーに宝石がちりばめられていると、やはり華やかでキレイですよね。
中には宝石そのものが好きで、ジュエリーについていない状態のものやまだ磨かれていない原石の状態のものを持っている方もいるかもしれませんね。
キラキラした石、珍しい石が好きで収集されている方もいるでしょう。
もちろんそのままでも魅力的な宝石ではありますが、ジュエリーとして身に着けたいと思った時、形や輝き方などがそのままの状態ではジュエリーに使用することが出来ません。
そこで、形をカットし、磨くことでジュエリーに合わせられるようにする。
それが宝石研磨です。
宝石は大きく4種類に分かれる
宝石とひとくちに言っても、大きく4つの種類に分かれます。
天然石・人工石・人造石・模造石の4つです。
実は上記4つのうち、宝石(石)と呼べないものは一つしかありません。
逆に言えばそれ以外は全て宝石(石)と呼ぶ事ができます。
それぞれの違いを見てみましょう。
天然石とは?
天然石はその名の通り、自然の中で、圧力や熱などの膨大なエネルギーと果てしない時間をかけて生まれてくる宝石です。
多くの人が宝石と聞いて思い浮かべるのがこの天然石でしょう。
天然石は初めから美しく輝いているわけではなく、採掘される際にはゴツゴツとした原石として発見され、これをカットし、表面を研磨することでジュエリーで使用される美しい宝石になります。
天然石はいわば偶然の産物です。
そのため同じものはひとつとして存在せず、同じ石であっても状態の良いもの、悪いものがあり、状態の良い石は希少価値も高く、市場では高価なものとして取り扱われます。
それぞれの石の特性に合わせて、その魅力を最大限引き出すための研磨、カット技術は古代から研究され、現代にも受け継がれながら進化しています。
人工石とは?
人工石は天然石が造られる成分や環境、条件を人間が整え、用意して作られる宝石です。
天然石と成分は同じですので、人工石と天然石は同じものと言えます。
天然石であれば生成の過程で不純物が混じってしまったり、熱や圧力などのエネルギーのかかり方によって良し悪しがまちまちになってしまいますが、人間が環境や条件を整えているため、不純物のない、均一な宝石が生成されます。
人造石とは?
人造石は上記の人工石と似ていますが、人工石は自然界に存在する石を人間が生成するのに対し、人造石は自然界に存在しません。
自然の環境下では生まれてこない石ですので、環境や条件に加え、石の成分も人間が独自に配合したものです。
いわば人間のオリジナル石、というわけですね。
模造石とは?
他の石と比べて、この模造石だけは宝石(石)ではありません。
ガラスであったりプラスチックであったりを石のように見せているものが模造石となります。
彫金教室での宝石研磨
彫金教室で宝石を研磨する場合、ほとんどの場合が天然石の加工です。
採掘された宝石の原石を手ごろな大きさにカットし、光り輝くように磨いてジュエリーに乗せられるようにします。
もちろん人工石や人造石にも原石はありますのでカットや磨きはするのですが、人工石や人造石であれば既に加工されたものを購入するか、研磨の練習用に使用する機会の方が多くなるかと思います。
そんな天然石の研磨にはある程度の知識が必要になってきます。
中でも有名なものが「モース硬度」。
例えば、ダイヤモンドは地球上で一番硬い!なんてことを聞いたことはありませんか?
モース硬度はこの石の硬さです。
正確にはひっかきに対する傷のつきやすさとなりますので、衝撃に対してはたとえダイヤモンドであろうと割れてしまったりします。
とはいえ、このモース硬度は天然石の硬さの単位としてよく使われており、天然石の硬さによって研磨しやすい、しにくいがあります。
柔らかい石であればそこまで難しくありませんが、ダイヤモンドともなればそう簡単にはいきません。
彫金教室でダイヤモンドまで研磨できるところはほぼないでしょう。
逆にそれ以外の天然石であれば研磨できる可能性が高いです。
宝石研磨を学びたいなら
残念ながら彫金教室で宝石の研磨まで行っているところは多くありません。
宝石の研磨には専用の機材と、研磨のノウハウが必要となるためです。
柔らかい石や簡単な研磨であればできるかもしれませんが、強引に作業をしてしまうと石は簡単に割れてしまいます。
せっかくのお気に入りの石が割れてしまっては元も子もないですからね。
とはいえジュエリーに宝石はなくてはならないもの!
ちゃんと教えてくれる彫金教室ももちろんあります。
これから宝石研磨をしたいのであれば、宝石研磨専門の教室や、ノウハウや機材がしっかりしている教室を選ぶと安心です。
せっかくお気に入りの石があるのであれば、あんなカットやこんなカット、自分オリジナルのカットなどができると楽しいですよね!